「赤ちゃんには母乳が一番」
こんな言葉をどこかで耳にしたことはありませんか?
日本の母乳神話に始まる子育て神話って、多くのママさんを苦しめるんですよね。
産後で体はボロボロなのに、慣れない母乳育児で休む暇もない。母乳がすんなり出ればいいけれど、そうはいかず苦しんでいるママさんは少なくありません。
「海外での慣れない育児のうえに、母乳育児のつらさなんて鬼だよ、鬼!痛いし、出ないし、出れば乳腺炎にもなるし。一体どうしろっていうのよ!」
そういう心境に陥ってるママさんの気持ちに、少しでも寄り添うことができれば幸いです。
こんな方におすすめ
- 母乳育児が上手くいかなくてつらいとお悩みのママ
- 母乳神話に押しつぶされそうなママ
- 乳腺炎でお困りのママ
- イギリスで母乳育児を相談できるヘルプラインを知りたいママ
母乳育児がこんなに大変なんて
「出産したら、母乳が自然に出ると思ってたのに・・・」
産後すぐ、赤ちゃんにおっぱいをくわえさせるだけで、しっかり母乳が出るものだと思っていました。しかし、何をやっても泣きやまない娘を見て、もしかしてこれは母乳がちゃんと出てないからでは?という不安がよぎりました。
泣き疲れてぐったりしている娘。水分補給ができていないからか、唇がかさかさになっているのを見てとにかく焦りました。ミッドワイフをつかまえて相談するも、軽くあしらわれただけ。あぁ、どうしたらいいの・・・とパニック状態に陥りました。
それもそのはず。イギリスの病院では産後すぐ、日本の産院のようなしっかりとした授乳指導がありません。
2010年のリサーチによると、イギリスでは81%の母親たちが母乳で育てようとしましたが、3カ月の時点で母乳のみで育てている母親はたった17%、4カ月の時点ではさらに12%に減少しています。WHOが推奨している6ヵ月目の完全母乳育児は1%にとどまっています。
初期の段階で母乳育児をやめてしまう母親たちのの90%は、望んでいないうちにやめてしまうそうです。
2016年に300人のママを対象に行われた調査では、60%のママが「痛みやサポート不足のために母乳育児をあきらめた」と回答しています。
引用: LatchAid
この結果からも、母乳育児は簡単ではないということが分かります。それに授乳指導は不可欠だということも分かります。
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パニックに陥り、カーテンで仕切られた部屋でおろおろしながら過ごした数時間。そんなときに現れたのが、Breastfeeding Support Groupのヘルパーさんでした。まさに救世主!
「抱き方を変えてみたら」「角度を調整してみて」などアドバイスをもらえただけではなく、退院後に自宅に来て指導してくれることに。
毎回の授乳に長時間かかり、母乳の出がよくない母親とうまく吸いつけない赤ちゃんを見て不憫に思ったのでしょうか。それからも数回様子を見に来てくれました。
母乳が出るようになったら、次は乳腺炎!?
母乳の出が悪かったのが一変。次は出過ぎるように。そこで新たに出現した問題が乳腺炎です。
drop-inで相談したところ、冷やしたキャベツを一枚貼りつけて胸部を冷やすようアドバイスを受けました。わらにもすがる思いでキャベツを貼ってみましたが、一瞬痛みは引くように感じるもののやっぱり痛い・・・。
結局は娘の吸い付く力を借りて詰まりが取れましたが、それからも乳腺炎にはたびたび悩まされました。
当時、こんなサービスがあるとは知りませんでしたが、イギリス在住の日本人助産師さんがロンドン母乳育児相談というサービスをされているようです。日本語だと安心感がありますし、母乳育児にお困りの方はコンタクトされてみてはいかがでしょうか。
日本の母乳神話に押しつぶされそうになったら
母乳を飲んでいる子供は病気しない、母乳を飲んでいる子供はアレルギーが出ない、などいろんな通説がありますよね。
先ほどあげたリサーチ結果からも想像できますが、英国の母乳育児率は他国と比較しても最低のラインです。
でもだからと言って、イギリスでミルクで育った子供たちが元気に育っていないわけではありません。それどころか屈強なイギリス人いたる所に今んせか(笑)
もちろん母乳育児はミルクを準備する必要がなかったり、専門家が言うような利点もあるのかもしれません。ただ、まずはママさんたちの心や体が元気でないと子育てはできませんよね。
賛否両論あるでしょうが、痛みやストレスに耐え、泣きながら母乳育児を進めるのがいいことだとはどうしても思えないのです。
最初の数ヶ月は授乳に時間がかかり、子供が寝ている間は母乳育児のことを調べるというルーティーン。今振り返ると、一人目の産後は母乳育児にこだわるばかりにストレスが極限状態まで来てたなと思います。
母乳育児が上手くいかなくても、罪悪感を感じることはぜーーーったいにありません。努力はしてみても、無理はし過ぎず。母乳であってもミルクであっても、楽に笑顔で子育てしていることの方がよっぽど大事なことじゃないかなと思うんです。
まとめ
母乳育児を進める場合、産後で体がぼろぼろなのにもかかわらず、休む間ももなく頻回授乳が始まります。
寝不足もありただでさえしんどい時期です。特に海外での慣れない育児だと、分からないことだらけで不安も増すばかりですよね。
産後は慣れないことの連続でただでさえ大変な時期。母乳育児の問題を決して一人で抱え込まないでください。
母乳育児がしんどいと感じたら、まずはミッドワイフ、ヘルスビジター、あるいはGPの医療関係者にご相談を。
もし満足のいく回答が得られなければ、下記の団体やサービスにコンタクトを取ることも可能です。
あくまでも情報としてヘルプラインを載せていますが、母乳でもミルクでも、ママと子供が元気であればそれでいいんです。無理せず、気負わず、新生児の時期の子育てを心から楽しめますように。
母乳育児のヘルプライン
- National Breastfeeding Helpline: 0300 100 0212
- Association of Breastfeeding Mothers: 0300 330 5453
- La Leche League: 0345 120 2918
- National Childbirth Trust (NCT): 0300 330 0700
- ロンドン母乳育児相談(日本語): https://aromammauk.webnode.jp/